アメリカで客室乗務員として活躍するEri.K先生。旅行英会話や丁寧な接客英語まで、実際のシチュエーションを想定したリアルな英語表現を伝授してくださいます。また、上級者向けのリスニング・発音を鍛えるオールイングリッシュでのレッスンにも対応可能です。今回は、Eri.K先生に「簡単なことも直ぐに言葉にできません<初級者>」とお悩みの生徒さんに向けてのアドバイスをお伺いしました。
さっそくですが、「簡単なことも直ぐに言葉にできません」とお悩みの生徒さんへどのようにアドバイスされますか?
はい。私の生徒さんを見ていると、話したい内容を日本語で考えすぎてしまうため、言葉に詰まる方が多い気がします。理由としては、生徒さん自身の日本語レベルに、英語レベルが追いついていないことが挙げられると思います。このレベルの差が、言葉に詰まってしまう…、上手く訳せない…、といった要因だと考えます。
日本語レベルと英語レベルの差が、スムーズに話すハードルになってしまっているのですね。どのように改善していけばよいですか?
■簡単な日本語で考えてみましょう
まず、長い一文を細かくカットし、短く話してみることを意識してみましょう。
日本語として浮かんだことを、そのまま英語に置き換えようとすると、語彙や文型に変換することがとても難しくなってしまいます。
例えば、「友達は病気を患っていたんだけど、やっとテニスが出来るようになったの!」という日本語文があるとします。
患う? ?やっと? ・・・適した単語のストックがない、思い出せない。状況を整理して知っている単語で言い表してみましょう。
病気だったからテニスができなかった。病気が快復したからできるようになった。同じですよね。
この文を英語文にするために[回復した]という単語で表現できるかもしれません。テニスが出来るまでに回復した→[recover、cure]という言葉を使わずに、よくなった→[get better、get well]などと簡単な日本語で考えてみることで英語文が作りやすくなると思います。
また、「やっとテニスが出来るまでに復活した」という表現も、英語で[~できるまで]などと難しく考えずシンプルに、[Finally, she can play tennis.]と簡単な日本語に置き換えて考えてみましょう。
長い一文でそのまま伝えようとせずに、「よくなった!だから、テニス出来るようになった!」と話しやすいように組み替えなおすのですね。他に意識することはありますか?
■小さな子どもに話すように練習してみましょう
例えば、ニュースなどの感想を伝える時、〇〇だと思った。〇〇が面白かった。など知っている英単語を使って短く話してみましょう。
ここで意識するポイントは、小さな子どもに説明するように簡単に話してみること。
関係代名詞や(wh, That)節などで、補足説明していく文章って、あえて使わずに短く分けて、[そして、なぜなら、そのあとで。。]など、継ぎ足していく方が楽に話せます。
会話のキャッチボールとしても、端的な表現のほうが、「なぜ?、それで、そうだね」と相手も話しやすかったりします。
■ニュアンスが違ってもOK
伝えたい内容が間違っていなければ、ニュアンスは違っていても良いと私は思います。日本語を英語にそのまま完璧に訳そうとすると、英語が出てこない…思い出せない…という状態に陥りがち。全て一語一句を訳そうとせず、シンプルに考えてみることがとても重要なポイントです。
短くシンプルな英語で考えるために、どのようにトレーニングすれば効果的でしょうか?
■短い文で話してみましょう
[誰が〇〇をした]という風に、とにかく短い文章で話してみましょう。
なぜ私たちが長い文章で話しがちかというと、日本語の言語自体に、結論を最後に言う特徴があるからだと思います。[私は〇〇だから、〇〇をして、〇〇だったから、〇〇だと思いました。]などと言いたい内容が一番最後に来ますよね。英語で考えてみると、[私は〇〇した。なぜなら〇〇だからだ。]ととてもシンプルで短い文章ですよね。
■ご自身の行動を英語にしてみましょう
オススメの方法は、何か行動しながら英語で考えてみることです。I am cleaning dishes. I am taking a shower.などと、今している行動に対して英語で考えるようにしてみましょう。そうすることで、自然と短い文章が作りやすくなると思います。私は食器を洗っている、シャワーを浴びた、とてもシンプルですよね。
■beforeとafterを考えてみましょう
独り言英語に慣れた方は、食器を洗う前に何をしていたか?、食器を洗った後に何をするか?を考えてみましょう。過去であれば、I am cleaning dishes. But before, I was eating dinner. 未来であれば、After cleaning dishes. I want to go shopping.このように出来後の前後を考えてみることで、1文から2文、そして3文になりますよね。
■Becauseなぜならを考えてみましょう
次に行動への理由を考えてみましょう。I am cleaning dishes. Because…と続けましょう。行動に対しての「なぜ?」を考えることで、英語的な考え方、英語の表現の組み立て方に慣れて近づいていくと思います。
まずは、今の行動、そしてbeforeとafterを考えてみる。次に、Becauseなぜなのかを英語で順に考えていくと短い伝えるための良い練習になるということですね。この3ステップはまだ難しいかもしれない…という超初級者の方は、何から始めれば良いでしょうか?
■まずは単語だけで考えてみましょう(超初級者編)
超初級者の方であれば、まずは家の中にあるアイテムを英語にする練習から始めてみましょう。例えば、Desk、Cup、Computer、Penなど身の回りのモノを英語で表していきます。
この後に1文にするステップへ移っていきましょう。This is a pen. There is a desk.このように、文章の単語の数を増やしていくイメージです。これに慣れると、独り言として、今している行動を英語にしていけると思います。
英語で考える習慣をできると、モノを見たときに、英語が浮かぶようになってくるはずです。コップ=Cup、机=Deskのように、単語自体が英語で出てくるようになると思います。
オンライン英会話を活用して、更に効果的に学ぶにはどうすればいいですか?
■オンライン英会話の活用術~報告~
自宅でトレーニングしている独り言英語を、先生に発表してみるのがよいと思います。生徒さんの日頃のルーティンや取り組んだ内容を、先生に英語で報告してみましょう。そうすることで、先生は「なぜ〇〇したの?」と質問ができます。これが会話の練習に繋がりますよね。
■言い換え表現を身に付けられる
生徒さんが報告してくださった内容に対して、「こんな言い方もあるよ」と言い換え表現を伝えることもあります。関連付けることでより覚えやすくなりますし、単語の幅が広がっていきますよね。
今すぐにでも始められそうな自宅学習はありますか?
■好きなことから始めてみましょう
本を読むのが好きな方であれば、英語の本を読んでみましょう。私は生徒さんたちに、簡単な子ども向けの絵本をオススメしています。絵本に出てきた表現から、新しい表現が学べるからですね。例えば、[Some of them]という表現を、[some of my friends、some of my sisters]という風に使い方を広げていきます。このように本をただ読むだけでなく、その中に書かれている表現を、生徒さんが実際に使えるように学んでいきます。
お子さん向けの絵本を使って、語彙力を高めていくということですね。1文が短く、初級者の方でも楽しく学べる教材だと思います。
映画を見ることが好きな方なら、Netflixなどを観てみましょう。映画を見ることで重要なのは、ダラダラと流しで見ないことです。最初の5分間を複数回見てみましょう。
言葉を聞くと情景が浮かんでくる、セリフも覚えるくらい繰り返し見ること。ただ見ているだけでは、あまり意味はありません。
流し見ではなく、集中して英語をキャッチしていくことが大切なのですね。わからないときは字幕ありで見てもいいのでしょうか?
最初の数回は字幕なしで聞いてみて、次に英語で字幕を見てみる、わからないときは日本語字幕を見てみるという具合に、段階を踏んでいきましょう。
聞き耳を立てて聞き取れた単語(情報)から想像して把握できる量を増やしていくプロセスが一番大切です。先に字幕(答え)をみてしまうのはお勧めできません。
同じ時間なら、長い映画(動画)を観るよりも、短い動画を複数回視聴したほうが明らかに効果的です。
自宅学習をしながら、わからないことがあればオンライン英会話を活用して質問してみるといいと思いますよ。生徒さんが学んだ内容を確認する場としても最適だと思います。
スポーツが好きな方は、好きなスポーツ選手のSNS(instagram、twitter)を見てみるのも面白いですよね。SNS用語が使われていたりするので、また違った発見があると思います。選手のコメント、一般読者のコメント、それぞれから学べるところがあります。気になった表現を調べてみたり、先生とシェアしてみるといいと思いますよ。
Eri.K先生の「貴重な体験談」をインタビュー↓
https://www.english-dialogclub.com/blog/?p=6485
事務局よりコメント
「英語が出てこない…」とお悩みの生徒さんはとても多いですよね。すでに洗練された高い日本語レベルと、今の英語レベルを比較するときっと大きな差があるはずです。コントロールしやすい日本語力をぐっと小学生レベルに下げてみると学習がスムーズになるのかもしれません。また、文化の違いを知ることも、言語学習ではとても大切なことだと思います。アメリカ生活の長いEri.K先生に、リアルな英語文化や伝わる英語表現について尋ねてみてくださいね。
オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:客室乗務員としても活躍する EriK先生のプロフィールはこちら↓