英会話上達のコツ（初級者編）(回答者:Kathy先生)

英語講師歴20年のKathy先生は、これまで英会話スクール、進学塾など様々なフィールドでご活躍されています。また、アメリカ生活20年の中で、大学・大学院では心理学・教育学・言語学を専攻され、メンタルヘルスや心理学にも素晴らしい知見をお持ちです。
今回はコーチングにも力を入れるKathy先生に「英会話上達のコツ（初級者編）」についてインタビューさせていただきました。

さっそくですが、今回の３つのTOPIC「英会話学習で大切なこと」、「英語の発音をよくする方法」、「初心者におすすめの英会話勉強法」について順に教えて下さい。

■英会話学習で大切なこと

楽しむことが何より大切だと思っています。完璧を目指さなくても大丈夫。もしかすると日本の文化の影響で、「間違えると良くないのかな・・・」、「間違えることが恥ずかしい、笑われてしまうかもしれない・・・」、「完璧でなければなかなか話せないなぁ・・・」と考えてしまう生徒さんが多いのかもしれませんね。

Kathy先生は、そういった生徒さんをどう良い方向に導くのでしょうか？

私は自分自身のことを、”教師”という立場ではなく、あくまでも生徒さんをそっとサポートするファシリテーターだと思っています(^^)
助けが欲しいとき、必要なときに後ろから背中をそっと押す役割でしょうか。知識を与えるのではなく、そっと寄り添うイメージですね。
なによりも生徒さんのお気持ちが私にとって大切で、その希望に合わせて提示する方法でレッスンを進めていきます。
もちろん、「アドバイスが欲しい」という生徒さんに対しては、３つほど選択肢を用意して「例えばこういった方法がありますよ、こんな方法もありますよ」などとアドバイスしてみます。「楽しそう、出来そう！」と生徒さんが思えることを、色々と試してみながら生徒さん自身に一番合う方法を探していただければと思います。それは、私にとっても嬉しいことです。

ファシリテーターですね。ファシリテーターだからこそ、生徒さんは、「自分の意志」で色々な方法を試しながら、成長していけると思います。

そうですね。「先生と生徒」ではなく、同じ目線で、一人の人間として、こういう方法もありますよ、と提示していくイメージでしょうか(^^) 。ファシリテーターとして生徒さんにそっと寄り添います。読む」「聞く」「書く」「話す」の４技能がバランス良く学べると思います。
今はたくさんの情報に溢れていて、方法はたくさんありますよね。なるべく生徒さんの視野が狭くならないように、広い視野を持って色々と試していただけるようサポートしたいと思っています。
何かを変えることに怖さもあると思いますが、現状維持ではなく違う道も試してみることで「ブレイクスルー」が起きるのではないでしょうか？「上手くいかなかったなぁ、じゃあ別の方法試してみようかな！」と生徒さんに勇気を持っていただければ私は嬉しいです(^^)

Kathy先生のプロフィールには「あなたの大切な人生の中で、欠かせない3つの物は何ですか？」と書かれていますね。大切な３つを書き出して、英語学習に結びつけながら色々な方法を探っていくと学習の愉しさが見えてくると思います。生徒さんの興味関心や趣味と上手く掛け合わせながら学べると良いですよね。

■英語の発音をよくする方法

「歌うこと」が好きな生徒さんとは、一緒に英語の歌にチャレンジしています♪歌を通して発音練習ができますね。独特の英語のリズムを歌とともに身につけていきます。何度も繰り返していくうちに音のリズムを掴んで英語の発音が上達していくと思います。
１つ１つを発音するイギリス英語よりも、単語同士がリンキングする傾向の強いアメリカ英語のほうが聞き取りは難しく感じるかもしれませんね。
わからないときは聴いて、英語の音の仕組みに慣れながら、少しずつ声に出してみるといいと思います(^^)

まずは英語を聞き慣れるところからですね。歌うこと以外の良い方法はありますか？

YouTubeを使った学習がオススメです。どんな言語も文化を通して学んだ方がいいと私は思っています。「映像がある」というのがポイントでしょうか。映像を見ながら英語のイメージを掴んでいくと良いでしょう。
子ども向けのわかりやすい動画を字幕付きから始めてみても良いと思います。家事をしながら聞いていただいても構いません。
英語に触れる機会をたくさん用意して、英語のリズムに少しずつ少しずつ慣れていきましょう。
英語はアクセント言語、「音楽」だと私は感じています。

私たちは日本語のリズムに慣れているので聞き取りが難しいはずです・・・。まずは、少しでも英語の「音楽」を取り入れる環境作りが大切だということですね。

■初心者におすすめの英会話勉強法

先程、英語に触れる環境を作ることが大切だという話をしましたが、「独り言を英語で言う」こともオススメの方法です。
例えば、今顔を洗っている。I am washing my face.と言いながら顔を洗ってみる。そうすると現在進行形が身に付きます。寝る前にその日の出来事を振り返ると過去形となりますね。

また、その日の出来事を日記につけることも習慣作りには良いかも知れません。
日記を、学んだ内容の総復習とすると、スペルや文法のチェックにもなると思います。

まずは音として、インプットで聴いてみましょう、アウトプットとして声に出してみましょう。もし、聴いてもわからないな、聞き取りづらいな、というときはその英語文字を見て、確認しながら言ってみましょう。そして、日記に書いてみましょう。
「読む」「聞く」「書く」「話す」の４技能がバランス良く学べると思います。

生徒さんの日記について、レッスンでお話することもあります。
私が添削指導で大切にしていることは、「どう間違えているか？」を生徒さんに気づいてもらうことです(^^)
すぐに答えを言うことはとっても簡単です。ただそれだと記憶に残りづらいと思いませんか？私はファシリテーター、生徒さんに寄り添いながら、一緒に考え、生徒さん自身に気づいてもらうきっかけを与えられたらと思っています。こうすることで、生徒さんの自宅学習[self correction]がスムーズになっていけたらいいですね。

その「気付き」が記憶定着に働くということですね。Kathy先生のレッスンは、生徒さんが自ら行動できるようにさりげなくサポートされていて素晴らしいと思います。
では、超初級者の方が、独り言英語を簡単に取り入れるにはどうすればいいでしょうか？

自宅の壁に付箋でI wash my face.と書いて貼ってもいいですし、知らない・わからない単語であれば書いて貼っておいても良いかも知れませんね。覚えられた後は外してみる。という具合でしょうか。
声に出しながら、音で掴んでいきましょう。毎日同じ動作をするたびに発話し、繰り返すことで、次第に英語に触れる習慣ができていくことでしょう。オンライン英会話以外の習慣作りは、上達するためにはとても大切なことだと私は感じています(^^)

■事務局よりコメント
Kathy先生は、生徒さんの自発性を活かすレッスンをとても大切にされています。それは、心理学的観点を用いたKathy先生ならではの素晴らしい手法だと私は感じます。また、日本語と英語で大きく違う「音」にフォーカスした指導も魅力です。発音に苦手意識を持つ方でも「英語＝音楽」と捉えることで学びへの姿勢が上向きになるかも知れませんね。楽しく学ぶためのアイデアはたくさんあるのではないでしょうか？そのヒントはぜひKathy先生に尋ねてみてくださいね(^^)