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 初心者におすすめの英会話勉強方法 (回答者:Ayami先生)


幼少期アメリカのテネシー州で育った帰国子女であり英語ネイティブ。日本人としての英語学習経験を活かしながら、様々な年代の方々の英語学習をサポート講師歴10年になるAyami先生には、今回は「初心者におすすめの英会話勉強方法」について伺いました。

早速ですが、「初心者におすすめの英会話勉強方法」についてアドバイスを教えてください。

はい、では、私のバックグラウンドにあるネイティブとして英語を身につけた感覚と、日本の英語教育経験と、その後、日本人学習者である皆さんと接してきて感じた、語学習得方法の違いの中で、皆さんの英語学習に必要だと思う気づきを踏まえてお話させていただきますね。

日本にいながらにして、誰でも少しずつ英語脳が働くようになり、よりスムーズでナチュラルな会話に近づけるようなアドバイスができればいいと思います。

まず、生徒さんの自己紹介の中でよーーく聞くのが”I can’t speak English.”です。

でも皆さん、単語でも短い文でも、間違えながらも、考えながらでも、英語を話していますよね?

自分が思うように喋れていないだけで、日本人なのに母国語でない英語が喋れているんですよ!もっと自分の英語力を評価してあげて欲しいです。その上で、自分の理想の会話力に近づくための英語学習をしていきましょう!

その為になのですが、思うように話せない=『まだまだ会話力が足りないので、新しい単語を覚えなきゃ!』と言うことではなく、『習ったこと、知っていることを、もっと会話で使える英語として自分の中に入れていこう』と言う角度のマインドも持っていただければなと思います。

「英語を勉強しているわりには、思うように喋れない、単語量やリスニング量が足りないんだ」と気にしがちです。学習したことを自分のなかに入れて行くということは具体的にはどのようなことでしょうか。

私は、今までの学習や経験で、自分の中にある英語力を[英語サークル](大きさはひとそれぞれ)と言っています。

ご自身の英語サークルの中に存在している英語を自在に操れるようになると、新しい単語やフレーズを学習することよりも効果的に会話力を向上させることができます。

つまり、新たなインプットではなく、ご自身に眠っている英語力を十分に呼び起こし、アウトプットに繋げることにフォーカスしましょうと言うことなのです。これが出来ていると、例え自分の理想の英語力にまで到達していなくても『自分の知っている英語なら使いこなせる!』と言う自信にも繋がりますよ。

ここからは、レベル別に具体的な学習方法の説明をしていきますね。

◆入門・超初心者(英語歴ゼロ)

入門の方は覚えることがたくさんありますね。単語でも、名詞、動詞、形容詞とあって、その次に文法を覚えたら、前置詞などの複雑さに出逢っていくかと思います。

英語サークルで言うと、英語サークルを作るインプットのステップになります。

効果的なインプットの(後にアウトプットに繋がり会話力となる)ためのポイントは3つなのですが、このポイントは、どのレベルの方にも共通して言える事なので、ぜひ皆さんに取り入れて頂きたいです。

まず1つ目のポイントです。日本人の方はとても真面目で、英語を勉強する、新しい事を覚えるぞ!というと机に向かって、ペンを持って、教科書を開いてノートに書き込む、文字を目で見て覚えるというスタイルが多いのですが、私はリスニングから始めるのをお勧めします

耳から聞いて、口で発声する。

理由は簡単で、文字を見て暗記したカタカナ英語は通じないですし、同じ単語をネイティブの発音で聞くとまるで聞き取れないからです。つまり、もう一度勉強し直す必要が出てきてしまうのです。

勉強したことが通じない時、うまくアウトプット出来ない時、それは勉強量が足りないのではなく、リスニングとアウトプットのトレーニングが足りていないのかもしれません。

文字で見た時に分かっても、ご自身で聞き取れない、正しい発音を出せない英語は残念ながら英語サークルの中の身についた英語=使える英語ではないです。

まずはリスニングに重きを置いて、そのあとに読むこと、書くこと、それから文法を勉強していってほしいですね。目からではなく、耳(リスニング)から聞いて、口から出す。発音やイントネーション、英語本来の音やリズムを意識していくことが大事ですね。

とは言え、リスニングのトレーニングをしたくても全く聞き取れない場合もありますよね?また普段の英語学習で日記をつける方もいると思いますがそれについてはどう思いますか?

「全く聞き取れません」という入門・超初心者の方は、

Hello, how are you? I’m fine、thank you! など、すでに知識のある英語の挨拶や言葉から始めることをおすすめします。それから、大人の方でも、子供番組はとても良いリスニング導入になると思っていて、チャンツ、ナーサリーライム、フォニックスなどは英語のリズムと音を聞くための良い第一歩です。

チャンツ
一定のリズムに英単語や英文を乗せて発音する指導で、リズムに乗って楽しく英語を学べます。

ナーサリーライム
マザーグースの歌はとても有名で、馴染みやすいテンポでリズムがつかめ、口ずさみやすいのも特徴です。

フォニックス
英語のスペルと音の間にある法則を学ぶことで、正しい読み方をマスターできる

これらは、英語を母語として身につけるために英語圏の子供達が行っていることでもあります。言語を習得するためには必要不可欠な過程なんですよ。

日本語を身につけた皆さんも、生まれると親からたくさんの声かけをしてもらい、童謡や子守唄を聞き、NHKの幼児向け番組などをみて、日本語のリズムと音を脳が言語と認識し、聞き取った言葉を脳に貯金し、2年くらいすると言葉として発語できるようになると言う過程を経て日本語が話せるようになっていくわけです。

ですから、まずはある程度の英語の音とリズムの蓄積がないと聞き取れるようにはならないのです。

そして、日記についてですね。日記をつけるのはいいのですが、日本語で言いたいことをそのまま英語を当てて書いている方が多くて、それが英語では伝わらない場合が結構あります。なので、オンラインでネイティブや私のようなバイリンガルの先生に見てもらい書きっぱなしにしないで、そこから学ぶようにするといいと思います。

私のレッスンでは、生徒さんの書いたものを教材に自然な言い回しや、より自分の言いたかった事に近い表現をアドバイスしています。またうまく文にできなかったところは、その原因を分析してレッスンします。文法のおさらいも必然と出てきます。

今ある英語力をアウトプットするトレーニングでもあり、より細かな表現を身につけもう一歩先の会話力を育むための下地としてとてもいい教材になるんです。

作文を校正したあと必ずやっているのが、その文を私が読み上げたものを録音して生徒さんのリスニング教材にすることです。生徒さんはこれを自宅で何回も聞き、それをシャドーイングやディクテーションに活用されて自分のものにされます。ここまでやっていると、日記や作文も、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングとバランスのいい英語力につながって行くと思います。

二つ目のポイントですが、インプットは自分に関わることからしていきましょう。

実は、学習していることと、自分との距離が遠いと実になって行かないのです。例えば、普段工具なんて使わないのに工具の名称を覚える事と普段する料理に使う道具の名称を覚える事を想像してみてください。馴染みのない工具は親近感も湧かないですし、覚え辛い上に、覚えても登場する機会を得る前に忘れてしまいます。一方、料理道具はどうでしょうか?馴染みがある分興味も湧きます。覚えやすさに繋がります。料理しているとその道具を見る機会があるので、英語でなんて言うんだったかな?と考える機会もあり定着していきます。そう言った意味で、

自分のベース(生活や身の回り)にあるもの、事から学習していくと効率的にインプットできます。

自分の普段使っているもの、普段行く場所、普段の行動、今の気持ち、独り言を英語で言えるようにしてみてください。この際、調べると思うのですが、調べた事は一度オンライン英会話の先生に確認して見ると良いです。単純にものの名前はいいのですが、動詞や形容詞は調べたものがカジュアルな会話で使わなかったり、ネイティブには思っていたニュアンスで伝わらないこともあるので。そして、単語帳やテキストを使ってインプットする際ですが、この時も1ページ目から取り組むのではなく、目次を見たり、本をめくって、1番馴染みのあるところから始めてみてくださいね。

3つ目のポイントは、暗記をどうやるのか?つまり、インプットの定着についてです。ここでのポイントは『体に覚えさせるやり方』です。

体に覚えさせるやり方とはどんなやり方なのでしょうか?

はい、簡単です!

例えば、be動詞の学習でShe is〜と出てきた時に、sheの時はisと暗記するのではなく、She is〜彼女は○○です。と言う文を身近にいる人を使ってどんどん作っていきます。

狙いは2つあって、まず先ほども話した学習している事との距離を縮めること。それから、be動詞の使い方を覚えると言うよりも体感でShe is と言う文の塊を使い慣れてしまう事です。

She is Tanaka san.
She is a girl.
She is living next door.
She is 2 years old.
She is cute.
She is funny.

こうすることにより、英語のサークルのなかに自分が覚えやすいイメージで単語や文章が取り込まれ行くんです。教科書にあるMs.Greenの例文では、架空の人物ですし、イメージに残りづらく、自分との結びつきのない暗記作業になってしまいます。

頭だけで覚える暗記だと、すぐにアウトプットできる状態にないのですが、こうして自分と結びつけてある程度の体感で覚えることで、アウトプットできる状態まで持っていくことができます。ウオーミングアップを済ませたスタメンみたいな状態ですね!なので、あとは、レッスンの時に、しっかり使って身につければ良いのです。

自分の学習とレッスンを切り離している生徒さんが多いと思いますが、効率的に学ぶためにはリンクしていく方がおすすめです。間違っている時には先生にアドバイスももらえますしね。こうして使える英語サークルを作っていきましょう!

◆初心者(学習歴1年〜3年)

次は英語サークルがある程度できている、中学英語、文法などは一通り入っているけど会話につながっていかない方、つまり英語サークルの中の英語が使えていませんと言う方向けの学習方法についてお話しますね。

この段階の学習者さんに多いのが、習ったからこそ選択肢が増えて正解がわからなくなってしまう、知識はあるのに(ある筈なのに)に言葉に出てこない、話したことのないことを質問されると、言いたいことを英語に変換するのに頭の中が忙しくなって、言葉に詰まってAh… hmmm, well…と会話が止まってしまうと言うお悩みですよね。

そういう方は、文型のパターン練習が効果的です。

先ほどお話した、She is〜.(彼女は〜です)の文章をたくさん作るように、一つの文型のに対して、沢山文章を作ってみてください。

例えば、よく聞かれるHow long have you been studying English?(あなたはどのくらい英語を勉強していますか?)これ答えるのが苦手な方多いですよね。会話の中では、5years!と数字だけで答えてもいいのですが、今は文型パターン練習の話なので、ここで大事なのは過去分詞だからbeen とかそういう文法的なことではなくて、I have been と言うかたまりを身近なことに置き換えて体感で覚えることです。発音も省略形で覚えると自然に聞こえます。

I’ve been (アイブビン)

I’ve been studying English for 2 years.
I’ve been drinking a vegetable juice.
I’ve been to America.
I’ve been to the Great Canyons.

日本語文を英語に直していくとタイムロスができて会話がスムーズになりません。

英文をある程度のかたまり=文型として覚え、英語を英語のまま理解しアウトプットできるようにトレーニングをしてみてください。これは、英語脳の自動化と呼ばれています。

この状態に近い文型パターンが増えれば増えるほど、スムーズに話せることが増えていきますよ。

イメージは自己紹介や挨拶です。何回もしている自己紹介や挨拶は日本語から英語に翻訳するよりも、英語そのままで話しているイメージに近いですよね。そういう状態の文型パターンを増やしていきましょう。

◆初心者(学習歴5年以上)

では、最後にずっと初心者枠から抜け出せない学習歴5年以上の方についてお話ししますが、これは中級、上級者になっても同様のことが言えますし、私自身が英語学習をするときにポイントにしていることでもあります。

文法や単語がほとんど頭に入っていて、会話力を伸ばしたいから、今より少しレベルアップしたテキストを買ってみたり、英検2級が取れるようにとか、TOEICで点数アップなど、ついついレベルを上げることにフォーカスしてしまいますよね。それももちろん大切なことなのですが、

効率的に会話力を伸ばすなら、絶対にスルーしないでほしいことがあるんです。それは、

普段の学習をしているときに出てくる『何となく分かる単語やフレーズ』です。

えっ、わからない箇所じゃなくて?!と驚かれるかもしれませんが、わからない言葉やフレーズは、先にも言いましたが、インプットしてアウトプットできる状態に持ってくまでにそれなりのトレーニングが必要ですよね。でも、

『何となく分かる』段階のものは英語サークルの中で宙ぶらりんな状態です。この状態にある単語やフレーズこそがあと少しであなたのスタメン入りするものたちなのです。

ここが使える状態になると新しい単語やフレーズに手をつけるよりも簡単に会話力を上げることができますよ。

こういう「何となく分かる単語やフレーズ」は、見れば意味は分かる、もしくはイメージできるけど、自分の会話では使えないと言う基準でピックアップしてください。そして、リストにして、隙間時間に口に出して言ってみる。レッスンで使ってみる。独り言で使ってみる。日記に使ってみる。そうした繰り返しで、気がつけば自然と会話で出てくるようになります。レベルアップを目指すのであれば、新たなインプットと並行して、こうした学習もぜひ行ってみてくださいね。

■事務局よりコメント

仲良し、親友、仲間といった言葉選びで英語学習を身近に感じて欲しいんですと元気よくおっしゃっていたAyami先生。ネイティブでありバイリンガルであるからこそ、今ある身近なことを大切にして英語サークルをひろげていくお話しが興味深かったです。暗記だけの英語にならないプロセスを大切にして英語学習を取り込んでいく、そんなレッスンにご興味ある方は、ぜひ受講されてみてください。

オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:Ayami先生のプロフィールはこちら↓

https://www.english-dialogclub.com/wte/prfdtlfrm/1750