通訳・翻訳の専門学校に通いながら英会話講師の仕事をスタートさせ、今年で講師歴22年目となるYoriko先生。今回は「英検対策としてのオンライン英会話の活かし方」についてお話を伺いました。
早速ですが、「英検対策としてのオンライン英会話の活かし方」についてアドバイスよろしくお願いします。
はい、私は中学一年生の頃みなさんと同じように初めて5級を受け、4級3級と順々に進めていきました。そしてつい最近ようやく、念願の英検1級を取得することができました。とても長い道のりでした。
英検対策オンライン英会話の活かし方としまして、2次試験(面接)の話しになりますが、オンラインの先生に、自分のスピーキングの評価をしてもらい、アドバイスをもらってください。
英検3級から、2次試験はスピーキングを試される面接が実施されますね。オンラインでの具体的な活かし方はどのようにされたのですか?
はい、私自身が生徒となりオンラインでの英検対策のレッスンを受けていました。主に2次の面接に集中していました。
3級から準1級までは独学でなんとかがんばれる範囲ですが、1級となるとスピーキングがネックになるんです。帰国子女やネイティブでもない、一般的な日本生まれ日本育ちの私にとってネイティブ感覚を意識した面接をしていくことは難しく、大変な思いをしました。スピードはもちろん、使用する単語のチョイス、流暢さ、臨機応変に知識を組み合わせて答える速さなどが要求されます。そこで初めて自分の意見の一貫性などを指摘され、的確に先生からアドバイスをもらい直していけました。
オンラインレッスンのなかで、専任の英検コーチのような形で進めていくのですね。
そうです、2回目試験に落ちたときからオンライン英会話を受講し、日本語は全く喋れないフィリピンの先生から時事問題やあらゆるジャンルのトピックスについての指導をピンポイントに受けていました。可能な限り同じ先生の方が、課題や目的を共有できたうえで積み重ねてけるので効率的です。
初中級者の3級、準2級の受験を考えている方は、いきなり日本語のわからないネイティブの先生は難しすぎませんか?
はい、その通りです。5級から準1級までの対策をお願いする先生は、日本人で日本語で説明してくれる先生が良いです。
ちょっとした文法説明も疑問もすぐに気づいてもらえ教えてもらえます。互いに分かり合えること、そして英検を実際に受験経験があり、その全てのプロセスを知っている先生が良いです。
私自身が1級取得するまで一切このようなオンラインで対面するレッスンを受けていなかったことをとても後悔しています。もっと早い段階で、顔をみて、英語を聞いてもらいアドバイスしてもらっていれば、合格がスムーズだったかもしれません。
経験している先生に、専任のコーチとして受け持ってもらうことが最大のオンラインレッスンの活かし方になるんですね。
はい、オンラインでのレッスンを活かしていれば、本番の面接に慣れておくことができ、3級からコンスタントにやっていくことで、準2級、2級へと繋がっていきます。2級になったときに落ち着いて面接を受けられる基礎が出来上がるわけです。
実際に面接対策のレッスンの様子はどのように行われていましたか?
3級の面接では、Yes/Noで答えられる質問で、Noの場合は意見が求められる形式です。Noの場合だけでなくYes の場合も「もう少し詳しく話して下さい」と必ず聞かれます。3級から準1級までは同じ流れであり、そこを先生と生徒さんは級ごとの内容を変えて練習していきます。準1級までは日本人の先生が良いと言いました。型にはまった内容なので、自分の意見を自分の英語で発信するテクニックを知っている、「ここでつっこまれるよ」とか、「ここ苦手なポイントだからこう答えよう」とか日本人の先生の経験談は本当に役に立ちます。
パッセージ(英文)とイラストが印刷された「問題カード」が渡されます。
●パッセージについての質問
●イラストについての質問
●受験者自身の意見などを問う質問
〇 Are you interested in the Olympic Games?
Yes. → Please tell me more.
No. → What are you interested in?
しかし1級となると、日本人の先生ではなくネイティブの先生をおすすめします。1級を目指している、これから受験する生徒さんはオンラインではネイティブの先生を活用してください。
3級〜準1級までは日本人の先生、1級はネイティブの先生が良い理由はどのようなことか教えてください。
5つトピックスがでてくるんです。例えば、教育、文化、経済、環境、医療など、難しいトピックの中から1つを選んで、その場で考えてスピーチをします。そこはもうネイティブの感覚が必要な内容です。
同じ単語で、同じく正しい文章でもネイティブの自然な言いまわしが求められます。日本人の先生では限界があります。最後に英検1級の体験談は日本人講師から聞くのも有効です。総仕上げ(実際の試験日の一か月前くらいから)として必ずネイティブの先生にスピーチを聞いてもらい完成度を上げて下さい。
私自身、英検対策の50のトピックをストックしました。自分の考えた内容をネイティブの先生に添削してもらい、それをもっと自然な言い方に修正してもらい、それを自分の声で録音するんです。
そして全ての内容を暗記して練習していました。
これは初めて3級の面接受験の生徒さんにもおすすめです。発音も綺麗になりますし、客観的に自分の英語を聞くことで直すべき箇所がわかりやすいです。何回かやっていくうちに、本当に自分の英語なの?!というくらい上達して、これは英会話にも役立ちます。
オンラインで先生に毎回聞いてもらう。修正してもう。この繰り返しが一番面接の対策に良いです。
準備していても出題されない場合もありますが、それはそれで英語の力になっていきますし、英会話に活用していけます。
ここまで2次試験のお話でしたが、1次試験の筆記についてアドバイスはありますか?
はい、25分という限られた時間のなかでやっていくので、リーディングをやっていくと時間がかかりすぎてしまうので、1パッセージを事前に予習しておいてもらい、レッスンのなかでは答え合わせと解説が望ましいです。
いきなりゼロから筆記試験をやるのは効率的ではないので、答え合わせ形式でオンラインレッスンを活かしてみてください。合格したい、自分のものしたいと思う気持ちが英語力になっていくのでご自宅でやってもらい、その後のサポートをオンラインでやっていく形です。
これは間違ったオンラインレッスンのやり方、というものがあったりしますか?
はい、オンラインでいろいろなスクールを使って日常会話を練習することは良いですが、日常会話を練習しているうちは英検合格はできません。英検に特化した期間を自分で作って、英検の質問形式に沿った練習をしていくことが大切です。その前の級を取っていることを前提に、約6ヶ月あればスピーキングの対策はできると思います。冒頭にもお話した英検に特化したスピーキング、
●パッセージについての質問
●イラストについての質問
●受験者自身の意見などを問う質問
ここを重点的にやっていくことが良いですね。
英検とTOEIC、この二つはカラーが全然違います。
大きな違いはTOEICはスピーキングはない、英検にはある。TOEICはビジネスセンスがあると有利です。大学生や中高生の受験生はビジネスとは?ということから説明しないといけないので、英検のほうが取り組みやすいですね。社会人の方は、想定しやすいので解きやすいです。
私自身も40代になって1級取得をして、何度も何度も挫折して、夜12時から、鳥の鳴き声が聴こえる明け方まで1年間勉強していました。1次が受かっていて、2次の不合格は諦め切れないんですね。執念でした。4回目で合格して、その3回目までのプロセスがあったことがよかったです。ですので、生徒さんのがんばる気持ち、辛い気持ち、苦い思い、いろんな葛藤は自分がずっと経験してきたことでもあり、英検はいつかは受かるものなので一緒にオンラインレッスンを活用して頑張っていきたいです。会話をエンジョイしたい方ももちろん大歓迎です。
■事務局よりコメント
英検5級から1級まで経験、全ての級を取得、そのプロセスや勉強方法、挫折しそうになった時や苦しい時をどのようなモチベーションで乗り越えてきたYoriko先生。現在同じ思いをなさっている生徒さん達の力になれればと熱い思いがひしひしと伝わってきました。英検を目指されている大人の方、中高生・大学生の方、ぜひ一度その温度に触れてみてください。
オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:Yoriko先生のプロフィールはこち↓