Tomoko先生は、中学・高校の期間をアメリカのイリノイ州(シカゴの郊外)、タイの島で10年、そして現在はイタリアで生活されています。これまでに子供英会話スクールで2年、大人向けの英会話スクールでの8年の講師経験がおありです。そんな素晴らしい経験をお持ちのTomoko先生に「簡単なことも直ぐに言葉にできません<初級者>」についてインタビューさせていただきました。
言葉を習得するとは、どのようなプロセスなのか、どのように学べば効果的なのか、とても示唆に富むアドバイスです。
さっそくですが、Tomoko先生は「簡単なことも直ぐに言葉にできません」とお悩みの学習者さんにどのようにアドバイスされますか?
はい。基本的に初心者の方のお悩みの多くが、単語は思い浮かぶのに、英語を文章で話せないことだと思います。ちなみにインタビュアーであるEriさんは現在、英語を学習されているということですが、勉強したての初期の頃はどのように英語を伝えていましたか?
私の場合は、文章にできないので、思い付く単語をどんどん先生に伝えて、先生が内容をなんとか汲み取ってくださっていました!
なるほどですね。やはり、外国語を勉強する時に、文章単位で外国語を脳に入れる、それをアウトプットすることって、とても難しいことなんですよね。
英語学習でインプットするときは、どうしても1つ1つの単語[ワード]が1個ずつ脳に入っていく感じになります。
例えば、日本語でも赤ちゃんは1つ1つの単語を口に出してそれを繰り返しながら、覚えていきますよね。成長とともに言語能力がどんどん育っていくと、文章として話せるようになってきますよね。
取り敢えず単語から沢山覚えようとか、基本文型の例文学習をしておこうなどというプロセスはないと思います。
<基本文型の例文などを暗記する学習方法>は、覚えること自体がとても難しい。よく聞く・話す単語から記憶されていく方が自然>
そうですね。赤ちゃんもまずは1単語から始まり、繰り返しアウトプットしながら自然に言語能力を身につけているということですね。
はい。文章作りをするそのプロセスに時間がかかるということですよね。
だから、日本語→英語に変換するプロセスではなく、イメージを英語にするプロセスを通して、阻して英語を口に出すというやり方にしましょうとお勧めしています。
<日本語を英語に組み替える学習方法は、初級段階では有効かも。でも、イメージ下で無意識に話せる使用頻度の高い単語やフレーズを積み重ねるのが自然>
英語の出だしにくるフレーズを日本語にそのまま直訳に変換すると、その言葉通りの日本語しか英語を思い出せなくなります。
出だしに来るフレーズというのは、
具体的には、「How about=どうですか」をや「I’d like to=~したいです」、「Why don’t we=~しませんか」などですね。
どういう状況でどういったことを伝えたいか、を表すのがこの部分です。これは英語ではまず、先に言ってしまう。
これらのように日本語→英語を出すのではなくて、実際に今どんな状況で何を伝えたいのか、をイメージして覚えてほしいですね。
日本語→英語に組み立てなおすのは、その構造(配置)の違いを理解ための初級プロセスでは一つの方法ですが、そのような(変換時間を待ってくれる)会話は通常はありません。
私も、タイやイタリアでの生活では、最初は全く現地の言葉は話せません。でも今日からの生活上、話さなければならない。「まずは文法から」「単語数xxx個」などの学習方法はとれませんでした。
例えば、お買い物で「いくら?」「安くなる?」「他には?」「おつりは?」・・目的を達するために必要な基本フレーズは僅かですし、そのフレーズの「何を、何個」の部分を入れ替えるだけだと簡単に!これでこと足りますね。
決して、日本語から英語やタイ語やイタリア語に変換するプロセスなどなく。「基本フレーズ+単語」を使用頻度の高い順に増やしていくだけです。
でも、この習得プロセスって特別なことではなく、私たちが日本語を覚えた方法そのものだと思います。オンライン英会話なら自分事として話すことができますので、そういうアウトプット方法を上手く取りいれていただきたいです。
言葉の丸暗記ではなく、自分の状況をイメージして覚えていこうということですね。
そうですね。例えば、外食に出かける友人との会話で「何食べに行く?」、「中華とかどう?」という風に(わたしが(あなたが)[中華]を提案しています。
パーティーをすることになって「誰呼ぶ?」「山田さんは?」とか、レストランで店員さんに「赤ワインはどうですか?」とか、ツアーに参加するときに「9時はどうですか?」という風に提案していますよね。
それらの(自分が参加している会話の)場面をイメージして英語を捉えることができれば、覚えやすいですね。
聴くだけで話せるようになるとか、基本フレーズ暗記法、音読学習方法などが効果的だという書籍などもあります。
それらで効果を感じた方も、決して、単に聞き流しているわけではなく、只管音読しているわけでもなく、注意深く聞きながら、自分のこととしてイメージしながら、自分を主語にして、脳で(言葉で)話しているはずです。
「太郎君が良子ちゃんに○○をプレゼントする(SVOO)」・・知らない人のシーンをイメージして例文として暗記して、会話で活かせるか?・・おそらくそれは難しいですよね。
<会話の参加者に自分がいるシーンをしっかりイメージするから、必要なフレーズや表現を覚えられる>
自然と英語のフレーズが思い出せるように[状況をイメージする]こと、そしてアウトプットしていけば、身についていくということですね。
はい。旅行に行くのであれば、10のフレーズさえ覚えられれば、あとは困らないですよ。ごまんとある旅行英語本で実際に使う英語フレーズはその中のほんの一部で、10の出だしフレーズで十分なんです。
100のフレーズを覚えるよりも、10のフレーズを、空港で、ホテルで、Shopで、使い倒しているイメージを持って練習を繰り返したほうが、明らかに早いです。
そのプロセスで、足りないことを、追加しながら、表現力を上げていきます。
そのプロセスでは、たぶん、最初にお話しした「その都度、全部を一から、日本語を英語に組み立てなおす」」とか「時制・文型、間違っていないかな」とか考えることなく
「How about=どうですか」や「I’d like to=~したいです」、「Why don’t we=~しませんか」って、口に出ています。「何を」は、しゃべりながら、「その単語、なんだったかな」って後付けで考える。
単語が思いつかないときは、「どうやって、相手に気が付いてもらうか? ?連想ゲームのヒントを考える」。
<英語の構成上:まずは即応できる出だしフレーズが大切。「なぜ、何を、どこに、いつ」など説明部分は会話のプロセスで伝えられる。>
そのやり取りの繰り返しで、どんどん、語彙も表現力も増えていきます。並行して、文法を学んで、「なるほど!」。好きな洋画や洋楽を聴いて「なるほど!」。inputがより効果的に働いてきます。
英会話初級者の方でも、どんどん話せる方もいますし、一方で、中・上級レベルの英語知識を持たれている方でも、話初めで躊躇される方もいます、
この違いは、[話慣れ]とも言えますが、上記の「自分のフレーズか、日英変換作文法か」も違いとも感じます。話し始めた後詰まるか(その場合は会話相手も合いの手を入れやすい)、話初めで詰まるか(相手は待つしかない)?この差は、会話上とても大きいですよね。出だしフレーズさえ、スムーズに出るようになれば会話はどんどん進めていけるようになります。
ただ紙に書いて覚えることもいいけれど、より記憶が定着しやすいイメージ、旅行中・外食中・ショッピング中など映像を思い浮かべながら取り組めるなら自宅でもできますし、より具体的で楽しめそうですね。
はい。右脳を使って英語を覚えた方が定着しやすいんですよね。場面・イメージや音を使った記憶法なら右脳が働きます。随分前に覚えた[九九や校歌]なども音を使っているのでなかなか忘れないですよね。
オンラインレッスンでは、使いまわしのきくフレーズを伝授します。
今までの学習で無駄なことは何一つないので、それを最大限生かせるレッスンをしていきましょう。
事務局よりコメント
Tomoko先生は、なんと中学から英語の世界へ飛び込み、日々環境に馴染む努力をされていたそうです。そんなアメリカ生活が2年目を迎えた時、ふと英語が身についている感覚を覚えたそうです。Tomoko先生には英語、イタリア語、韓国語、タイ語など、様々な言語を操るお二人の娘さんがいらっしゃいます。文化の違い・生きた英語を学びながら、学習を進めたい方、バイリンガル教育に関心のあるお母さま方にとっても、非常に興味深いお話が伺えると思います。
オンライン英会話[大人の英会話倶楽部]の日本人講師:英語を通じて新しい景色を届けてくれる Tomoko先生のプロフィールはこちら↓